梅見月ふたよの創作系裏話

創作物に関する独り言を連ねる日記帳

キャラファイル6『リブロム』

大人向け恋愛?小説、黄色の花の物語に登場する、主人公の相手役であり、ライバルであり、敵役でもある男性。

本来はベルゼーラ王国の第一王子だが、ウェラント王国の宮廷騎士団で隊長を経験した後、両国の玉座に就く。

更に後は、ベルゼーラ国王か、シュバイツァー公爵の伴侶かの、どちらかになる。どちらになるかは、本編を読んでくださった方のご想像にお任せします。

フルネームはリブロム・アーシュリマー・フロイセル。ウェラントではアーシュマーと名乗っていた。

 

以下、本編中に語れなかった詳細。ネタバレ注意。

 

幼少期からずば抜けた身体能力を発揮、頭脳も回転の速さで群を抜いていたのだが、実母マッケンティア王妃の指示で中央大陸へ派遣された際に救助隊の仲間全員を喪い、自身も父王に毒殺されかけたことで、結果的に誰にも心を許せなくなり単独行動するように。

毒杯からの生還時に身に付いていた『言葉の力』で、聴く者の意識と人格を操る。

✳︎本作における人格の定義とは、目的達成の為に為される選択の連続、その全体傾向を指します。

 

毒殺未遂事件の後、『言葉の力』を使ってベルゼーラ王国から脱走。ウェラント王国に難民として入国し、職を求めてウェラントの正規軍に入隊。

自身にも『言葉の力』を使ってリブロムの人格を封じ、異母弟レクセルの人格を上書きしていた(レクセルの人格が軍を選んだのではなく、いずれ来るかも知れないベルゼーラ軍との接触を考えて、リブロムがそうするようにと自己暗示を掛けていた)。

その際、周囲に不審感を抱かせないように『言葉の力』も一緒に封じている。再び使えるようになる為に必要な封印解放の鍵が、『リブロム・アーシュリマー・フロイセルとの再会』だった。

アーシュマーが本来の人格を取り戻したのは、王城内でレクセルの顔を遠目に見た瞬間。直後に『言葉の力』を自覚し、レクセル、ベルゼーラ軍、サーラ、オーリィードの順に『言葉の力』を行使して主導権を獲得。

ウェラント王国の方針とサーラの護身をレクセルに託し、オーリィードの精神を安定させる為、かつ、オーリィードと繋がりがあるフリューゲルヘイゲン王国の介入を期待して、二人で城外へ。サーラ王女救出と王位奪還を目的に掲げ、レジスタンスを立ち上げる。

数年間、レジスタンスの頭脳として活動する一方で、レクセルやベルゼーラ王家の『影』とも暗に通じていた。

 

彼は生来、それほど人間と距離を置くタイプではなかったんですが、マッケンティアの人間離れした忍耐力の強さに憧れてしまったばかりに、自分の弱さを切り捨てようとして他人との距離感を間違えた人です。

その上、マッケンティアの小説が原因で世界中の人間が自覚も無く『話し合い不可』の状態になっていると気付いてしまったせいで、ますます距離感が掴めなくなっていました。

だからこそ、人当たりが良かったレクセルの人格を借りてアーシュマーになっていたようです。

この辺りのリブロムの心境は、私もつい最近知ったばかり。これまでは無駄口を叩かない一匹狼タイプ

だと思ってたんですが、単に無駄口の叩き方を知らなかっただけらしい。

 

レクセルをオーリィードに付けたのは、レクセルが当時の高度な医学を修めていたから。そして、レクセルの人格でアーシュマーを名乗っていた為、レクセルがオーリィードに惹かれることも分かっていたから。レクセルなら、オーリィードの傷を癒せると考えての結果。

 

小説版では本当に気苦労と空回りが多い努力家。

漫画版では迷いも悩みも全部振り払って愚王の道まっしぐら。

 

頑張った人こそが報われる、そんな世界になれば良いのにね……と、彼の生き方を見るたびに思ってしまいます。