梅見月ふたよの創作系裏話

創作物に関する独り言を連ねる日記帳

黄色の花の物語、第十一話を修正しました

第十一話の隠し要素というか伏線は、オーリィードのドレスカラーと、馬車から降りたオーリィード達を見た瞬間の周りの反応です。

ウェラント王国はフリューゲルヘイゲン王国の下位に当たる国です。なので、フリューゲルヘイゲン王国の王家が使う『紫色』を、ウェラント王国の王侯貴族がメインカラーとして纏うのは不敬になります。

一般民は対象外ですし、貴族でもサブカラーにちょこっと入れるくらいなら見逃してくれますが、どちらも下手な使い方をすると外交問題に発展します。

これは、バスティーツ大陸全土が争乱の渦中から抜け出そうとしていた時代に定められた国際ルールの一つで、【各国の首長及びその支配下にある権力者は、他国の首長及びその支配下にある権力者が掲げる国色を乱用してはならない】との一文からくるものです。

家紋と同じですね。

一種の身分証明なので、他国の権力者がそれを使うと、「自分は○○王家に認められた人間です」という意味になり、事実であれば○○王家の名前の下、○○王家の国の下位に当たる国では特に、ある程度自由で無茶な行動を許されます。

つまり、上記の国際ルールが無ければ、虎の威を借る狐達が『偽証』しまくって大変なことになります。

上位が下位にやってもあんまり利益が出ないので、自然と下位国の貴族の偽証ばかりが目立つようになり、当然の如く『下位国は上位国の真似しちゃ駄目!』となった訳です。

 

オーリィードが着ていたドレスは、すみれ色。紫系の色でした。ウェラント王国内でメインカラーに紫色が許されているのは、シュバイツェル王家の血脈を受け継ぐシュバイツァー伯爵家のみ。

だから、すみれ色のドレスを見て一瞬ざわつき、すぐに静まり返った方々は、オーリィードの正体が一目で分かりました。

ゼルエスとリブロムが見せる悪夢の当事者シュバイツァー伯爵家のオーリィードが、いきなり目の前に現れた……貴族達が恐怖で黙り込むのも道理です。

怖かったでしょうねえ。

実際はフリューゲルヘイゲン国王の片割れがプレゼントしたものとはいえ、そんなこと、彼らは知りませんし。

 

さて、今日はまとまりも悪いですが、ここまでです。

ものすっごく眠くて、日記も書いているのかいないのかハッキリしないほと眠いので。

おやすみなさいです。

 

 

黄色の花の物語、第十話を修正しました

恋愛脳メイベルのスキルは、『標的確保』と書いて『ターゲットロックオン』と読む系のアレですね。半径十メートルは、目で捉えなくても気配だけで捕捉できてしまう超能力。ただし、色恋沙汰を連想させる対象に限る、的な。

ごく普通の、どこにでも居る、ちょっと行き過ぎてる恋愛オタクなだけの一般人なんですが……いや、でも私、メイベルが頭の中に出てきた当初、大真面目に『この人、フィオルシーニ皇帝が寄越した密偵なんじゃないか』と考えてたんですよね。結局、全然関係ない人でしたけど。

それくらい、黄色の世界では異質な女性です。メイベルを出せば、どんな作品でもジャンルがコメディーに変わります。

短編集のほうにも、そのうちまた出てきたりするんでしょうか……今のところそうした気配はありませんが、出たら出たで、いろいろぶっ飛ばしてくれるんだろうなあと思います。

 

第十話に隠し要素はこれといってありませんが、あえて書くとしたら、『慈愛に満ちた微笑みで頭を撫でてくれた義理の母親でさえ『賢い』以外の共通点を挙げたことは一度も無い』の辺りでしょうか。

リブロムとレクセルの周りに居た大人達は、二人を政争の道具にするつもりで、対立する派閥同士『こっちの王子のほうが優れている』と言い合っていました。

しかしマッケンティアは、単純に、リブロムはリブロム、レクセルはレクセルであると、個人を個人として見ていたに過ぎず。異母兄弟だから似ているとか似てないとか、そういう視点では見ていなかっただけです。

ちなみに、書いている私自身は、描き分けが難しいなあと思ってます。リブロムは軽くウェーブヘアーが混じっていて、レクセルはストレートヘアーだったりとか、肌の日焼け具合とか、筋肉が薄い厚いとか、分かりやすいようなそうでもないような違いはあるんですが。

そして、外見的特徴をこうして書き出してしまうと、見た目で兄か弟か特定可能になってしまう為、フリューゲルヘイゲンに移住したほうの『アーシュマー』とグローリア=シュバイツァーのペアイラストを描いたとしても公表できなくなるという、マルチエンディングの罠。

両方のパターンを描いて同時に公開すれば良いのでしょうけど、それをやるとベルゼーラに帰った『リブロム』とシウラのペアイラストも描かないといけない気がします。

全四通りを同時公開……それをやるならまず、逆さの砂時計の真・最終回に載せる漫画を描くべきかなあと思ったりもします。やりたい事が渋滞してます。

ちょっとずつでも着実に。

 

今日はここまでです。

明日も早朝に修正の予定。寝坊しないように、しっかり寝ます。

おやすみなさい。

 

 

黄色の花の物語、第九話を修正しました

今回の修正で、王城と宮殿に関する情報と、真相に至るヒントを追加しました。

ウェラント王国でもそうですが、バスティーツ大陸のほとんどの王族は、城に囲まれた宮に居を構えています。機能的にも共通しています。ただし、宮の呼び方は国によって王宮だったり宮殿だったり御殿だったりとバラバラです。この情報をどこかに入れた記憶がなかったので、念の為に追加しました。

真相に至るヒントは、ロゼリーヌの言葉です。

最初は識字率の関係で、マッケンティアの小説を読める人は貴族や商人に限られていた。けれど、マッケンティアの小説は脳内で再生される『音』を媒介にして拡がる為、人と人との会話でも伝わってしまう。そこで誰かが洗脳にも等しい心理的作用に気付けなければ、小説の内容はどこまでも拡散され、独善的な平和主義者が量産された結果、既存の社会は自滅する。という内容。

仕向けられてきたとの発言は、マッケンティアに害意があると思い込んでいるリブロムから話を聴いていたせいです。この時点ではまだマッケンティアの人柄を知らないので、リブロムの真意と経歴から「リブロムが言うなら、おそらくそうなのだろう」くらいの認識しかありません。全面的にリブロムを信じているかといえば、そういうわけではないみたいですが。

 

隠し要素とはちょっと違いますが、サーラがロゼリーヌを表す言葉に「畏怖」を使ったのは、シュバイツェル王家の流れを汲むロゼリーヌのカリスマ性を、直感で嗅ぎ取っていたからです。

サーラの知識や認識でも、ロゼリーヌは伯爵家出身のご令嬢でした。フリューゲルヘイゲン王国や血脈に関しては、まだ知りません。生まれついての王女として育てられたサーラからすれば、ロゼリーヌが格下に見えてもなんらおかしくないのです。

それでも「なんか凄い女性」だと感じ取っている辺りに、サーラの人を見る目や政治的才覚の片鱗が垣間見えます。多分。

生まれついての王子として育ったリブロムやレクセルには、そういうものを一切感じてませんからね。真相を知った後ですら。いくらオーリィード可愛さで憎んだり妬んだりしていても、フィルターかけすぎではないかと。

オーリィードを狙う人間は味方であっても殲滅する、とか言い出しかねないサーラさん。

そんな女性を指して、政治的才覚云々と言って良いものかどうか……微妙。

 

今日はここまでです。

おやすみなさいませ。

 

 

黄色の花の物語、第八話を修正しました

今回の修正では、グリューエルの名前が判明する時期を早めました。

修正前だと、オーリィード達が決断するまではヘンリー兄妹も自分達の身の振り方を定められないし、場合によっては、オーリィード達を消したほうが良いと考えるかもかも知れないフィオルシーニ皇国の刃から守る為に、正体を明かさないまま撤退する可能性もあったので、この時点ではあえて、グリューエル達が意図的に明かさなかったのですが。

結章本編は全て公開済みだし、起・承・転の各章を読んでいない方には分かりにくい部分だと判断して、メタ的にいじりました。

ごめんね、グリューエル。だけど、第八話の時点で明かしたほうが、後々の説明も少し分かりやすくなるんだよ。後半には怒涛のタネ明かしが控えているからね。分散できる情報は分散しておきたいんだ。

 

第八話の隠し要素は、オーリィード達にくっついて来たレクセルの視力と脚力です。

彼、灯りになる物を持ってないんですよね。

オーリィードも、短剣しか持ってません。

オーリィードはまだ分かります。途中まで殺気を追いかけて、途中からは先回りできる場所を走っていただけですから。

でも、レクセルは違います。

レクセルは、突然出て行ったオーリィードを心配して追いかけているだけなんです。当然、何が起きてどこへ向かっているのか、なんて知りません。ただ、よく知らない土地、暗い視界の中で、屋根の上を飛び回ってるオーリィードの背中を追いかけていただけ。

……化け物ですか?

相手は素早さを売りにした元騎士だというのに、特別鍛えていたわけでもない文化人のレクセルが追いつけるとか、ちょっと信じられません。

でも、彼はやってのけちゃったんですよね。恐ろしい話です。そして、そんな彼に気付いていたグリューエルの余裕たるや。

黄色の花の物語、体力お化けしかいない説を提唱します。

 

今日はここまでです。

土日は家を空ける時間が長くなる傾向があるのですが、明日はどうなるか分かりません。とりあえず、空き時間は作業できると良いなと思ってます。

 

 

黄色の花の物語、第七話を修正しました

第七話を修正した際、オーリィードが追いかけっこ中の周りの様子を加筆して、『独善的な平和主義がもたらす危機意識の欠如』を表現し直しました。

人と人の隙間に殺気が残っているという事は、『フード付きのマントで全身を覆い隠している』『どこからどう見ても不審者そのもの』な怪しさ炸裂の人間が、複数人の前を堂々と駆け抜けていった、という事です。しかも、その後を『刃物を手に持つ人間が追いかけている』わけで。

仮に暗がりのせいで短剣が目に映らなかったとしても、オーリィードが凄まじい勢いでフードの人物を追いかけているのは間違いないのに。

そんな怪しい状況を目撃しておきながら、よく『疑問にすら思わず』『日常を謳歌』できるな? って感じで受け取っていただければと思います。

 

隠し要素とはちょっと違いますが、ダンデリオン=グローリアが語ったオーリィードの内面は、オーリィードの生来の気質です。これが本来のオーリィードの性格であり、これがゼルエスの計略で負の方向に増幅されてしまった結果、木製のサラダボウルをテーブルに置いただけで真っ二つにしてしまうほどの重いトラウマになりました。

ダンデリオン=グローリアはきっと、オーリィードと手合わせをして、彼女の本質を見抜いたんだと思います。

 

他にもあると思うのですが、頭がお疲れ気味なので、今日はここまでです。

おやすみなさいです。

 

 

黄色の花の物語、第六話を修正しました

第六話に隠し要素はありません。

オーリィードの過去を噂で知ったレクセルが慌てて食堂へ戻り、メイベルに話を聞いた後、落ち込んでいる様子のオーリィードに詰め寄って拒絶された。

という話です。

最後の急展開は、次回への引き。第七話、第八話で、ようやく転章ともちょっとだけリンクします。『ヘンリー』を違う国の読み方にすると『ハインリヒ』になる。そう説明する前に気付いて、しかも転章を読み、登場人物のフルネームを覚えていたら、リンクします。『シュバイツァー』と『シュバイツェル』が似ていると感じていたら、第零話からもすでにリンクしていたことになるのですが。

 

第六話のレクセルは、第五話の女性二人から、ゼルエスが既婚者のロゼリーヌを後宮へ封じた事、逃げ出したロゼリーヌを捕らえて王妃に据えた事、その際にオーリィードの実父を亡き者とした事、赤子だったオーリィードを後宮に入れて養女として育てさせながら、後々宮殿に閉じ込めて愛妾のように扱っていた事、サーラとオーリィードは異父姉妹にあたり、リブロムが愛妾にすると公布されたシウラはオーリィードの実姉である、といった事を聴いています。

注意すべきは、これらはゼルエスが意図的に流した噂であるという点。

ゼルエスとしてはオーリィード達に反抗してもらいたかったので、噂の内容は総てゼルエスへの非難に繋がる内容へと一部悪意を強調しています。オーリィードがサーラやアーシュマーを護ろうとして自ら閉じこもっていたことは知られていません。同意の上だったと思われたら、国民に反感や不安を植え付けられませんから。

だから、この時点でのレクセルの認識は「オーリィードは昔、宮殿でゼルエス王に拘束されていた」です。

 

こうやって振り返りながら書いていると、複雑すぎて後半のどこかに表現的矛盾が生じているような気がしてなりません。自分ではちゃんと書いているつもりだったから余計に不安です。分かりやすく書き直せば良いだけなんですけどね。

 

あっという間にお昼です。

今日はここまで!

明日も引き続き修正です。

 

 

黄色の花の物語、第五話を修正しました

実はこの回、全体が隠し要素みたいなものです。

レクセルの視点に合わせて書いてはいますが、オーリィードの目線で見ると、彼女がどんな気持ちでレクセルに言葉を掛けていたのか、想像できる……かなあ……と、思います(自信は無い)。

オーリィードは、元兵士です。しかも出身は後宮という、特殊すぎるにもほどがある経歴の持ち主です。

いくら平和主義に傾きつつある王国とはいえ、大の大人でも発狂するケースが少なくない荒事の現場へ、十代に足を掛けて間もない世間知らずな少女が飛び込んで、何の傷も負わずにいきなり手柄を挙げられる? そんなわけありません。

描写こそありませんが、兵士時代のオーリィードは毎日一人でこっそり泣いて、苦しんでいたと思います。他人を傷付けること、友人や知人を傷付けられること、自分自身が傷付くことを考えながら。

それでもまだサーラへの想いを曲げられなかったから、そういったものを全部胸に秘めて、あるいはダンデリオン=グローリアに背中を押されながら、自力で宮廷騎士団の隊長にまで上り詰めたんです。

リブロムによる催眠術のようなものから解放されたレクセルが見せた恐慌ぶりは、兵士時代初期のオーリィードを彷彿とさせるものでした。オーリィードの場合は最初からある程度の覚悟を持って入隊していたので、レクセルほどのショック状態には陥りませんでしたが。

オーリィードは、落ち着きを取り戻したレクセルに話を聴くまで、レクセルの過去など一切知りません。単純に『リブロムの影武者をしていた警戒すべき男』でしかないのです。

なのに「怯えなくて良い。お前は悪くない」と、事情を知っているかのような言葉を掛けているのは、レクセルの怯え方に覚えがあったから。

レクセルの姿に過去の自分を重ねつつ、「ああ、コイツはアーシュマーに利用されてただけなんだな」となんとなく察したので、まあ落ち着けよ、と。

このエピソードは、そういう流れだったんです。

 

が。

 

起章、承章、転章を読んでいない方には、何のこっちゃですよね……。『ウェラントの悪夢』にはまだ言及してないし。今回修正しながら気付きました。

自分が分かっているだけじゃダメなんだって、何度同じ反省をくり返せば学習するのか。

ぐぬぐぬ言いつつ、明日も早朝から修正です。

今日は最新話のほうを進めます。

頑張ろう!