二つの小説投稿サイト様にて連載中の小説。
短編と長編、合わせて全五章編成。
第一章『交わらぬ道』、お月様ではシリーズ短編1。
主人公・オーリィードが、異父姉であるサーラ王女を隣国に制圧されたウェラント王国の女王にしようとしている最中に起きた裏切りの話。
第ニ章『鳥籠に咲く花』、お月様ではシリーズ短編2。
主人公・サーラが、ウェラント王国を侵略した隣国の王リブロムの力に意識を操られ、異父妹オーリィードとの記憶を語っていく話。
第三章『THE・逆転』、お月様では前後編でシリーズ3。
主人公・ダンデリオンを中心に、フリューゲルヘイゲン王国のお家事情を語る話。『黄色の花の物語』に秘められた真相は全て、ここに集約されている。
第四章『黄色の花の物語』、お月様では長編でシリーズ4。
主人公・オーリィード他、複数の視点を行き交いながら真相と対策を明かしつつ、それぞれの悪夢からの解放を描く話。
第五章『おまけ』、お月様では四章のおまけ。
複数の視点で、本編中には明かされなかった事実や真実を語っていく話。
全体的にダークな雰囲気で殺伐としている中でも時々コミカルな空気が流れたりするのは、みんな嫌な事ばかり経験していた訳ではなかったから、だと思います。
だからこそ辛い、痛い、苦しい事は嫌だと感じるというか。
だからこそ、だからこそ、誰もがこんな思いをしないようにする為にはどうしたらいいのかを『考える』重要さを訴えているのかなあ、とは、私の個人的な感想ですが。
ただ、ゼルエスだけは、一から十まで嫌な事尽くしな人生だったと思います。良い思い出なんか一つも無かったんじゃないかな。何せ、自我を持った時に理解者が一人も居なかったんだから。
同じ目線で、同じ速度で、対等に語り合える相手が居ないというのは、誰からも認知されていないも同然の孤独です。
人間は大勢居るのに、誰とも同じ景色を見れないまま、永遠に続いていくすれ違い。
発狂するどころか、王族の義務を投げ出してでもすれ違い続ける人間達を護ろうとしていた彼は、実は相当な人格者だったんじゃないでしょうか。
私だったらバキバキに折れてますよ、いろいろ。
しかも、唯一心から安堵して笑えた瞬間が処刑される寸前って、どんだけドン底に居たんだと。
擁護はしませんが、ゼルエスみたいな人が生まれなければ良いなあとは思います。