梅見月ふたよの創作系裏話

創作物に関する独り言を連ねる日記帳

侍女とメイド

おはようございます。

まだ眠い頭ですが、昨日の続きです。

 

黄色の花の物語には、複数の国が出てきます。

国の違いは文化の違いでもあります。

だから、ぼうっとしているといろいろ誤認します。

その誤認の一つが、『メイド』と『侍女』の違いです。

 

黄色世界の所々は、概念が近い現実世界の言葉を借りて表現しているので、正しくは『黄色世界のこれ=現実世界のこれ』ではありませんし、国によっても『これ』の認識が変わるという、誰が得するのか解らない罠になっています。主に自分が引っ掛かります。

私は基本、頭の中の映像や音声を文章に起こしてエピソードを前後させたり肉付けしたり削ぎ落としたりの編集をしているだけですので、登場人物が説明してくれない部分は、私の推測と憶測で現実世界の概念や言葉と結び付けてる感じ。私自身が現実世界の概念と言葉を正しく認識していないと、黄色世界の形がくにゃんくにゃんに見えちゃうって話です。

 

そんなこんなな理由で、おまけ以降書いている途中に何度も判らなくなっていたメイドと侍女の違い。今回の『報われぬ想いに花束を』でもヒヤリとしたので、チップ代わりに書き出しておきます。

 

現実世界的の場合、大体は『侍女=偉い人の付き人』で『メイド=家政婦』だと認識しています。なんとなく『付き人=パシリ』だと思ってしまうのは、きっと漫画の読みすぎですよね。そうだと思いたい。

本当は『付き人=弟子』とか『=行儀見習い』かな。

侍女は良家のお嬢様が行儀見習いの為になるもので、主人となった相手のお世話はするけど、家事はしない。服装も自由。他人からの扱いは主人の友人くらい……なのかな? この辺りは多分、時代と国によって微妙に違うんだと思います。

メイドは家格が低いお嬢様から一般の女性が収入を得る為に就く職業で、主人の目に付かないよう、こっそりパタパタ働いている女性達。『お仕着せ=制服』が標準装備。扱いは労働者。

すっごく簡単に言うと、そもそも別物。

女性がなるもの、という点では共通していても、目的や業務内容、なれる条件が違うので、本来なら侍女とメイドは混同できない筈です。多分。

私はそう認識しましたが、専門家や有識者の方には鼻で一蹴されるかも知れません。小説を書き始めるちょっと前まで文盲の疑いがあった私に、歴史書とか翻訳辞書とか外国語の書物はエベレスト並みに敷居が高い。

たびたび一緒くたになっているように見えるのは、英語とかだとどっちにもメイドの呼称が付いているからだと思います。メイドの中でも専業化すると○○メイド、✖️✖️メイド、と分岐していくし、どうせメイドが付くなら侍女も含めて『総称:メイド』で良いじゃない。的な。

日本語も外国語もそうですが、日常的に触れる物以外に付ける名前って、あんまり種類が無いんですよね。これとこれは似てるから、これっぽいこれって名前にしよう! みたいな傾向が見える。

イントネーションのわずかな違いで別物になる名前とか、お願いだから違う名前に変えてくださいと思っちゃいます。『ライス』とかね(米とシラミ。発音を間違えると、ライスシャワーとかは……)。

電子辞書で引くと、メイドはお手伝いさんと出てきました。うーむ、アバウト。

侍女を引くと、貴人のそば近くに仕えて身の回りの世話をする人と出ました。ある意味お手伝いさん。

ぐるぐる先生に『メイド 意味』で質問しようとしたら『冥土』との迷回答があって、素敵な世界だなって思いました。

言葉って、難しい。

 

黄色世界的には、国によって違います。

フィオルシーニ皇国の場合、皇女や自分と同等のお嬢様の世話役を務める中流階級以上の貴族女性を『侍女』、雇用先の家政を預かった中流階級以下の貴族女性を『メイド』と呼びます。どちらも専門教育を受けるので一般女性に就職の機会はありませんし、貴族以外に『メイド』は雇えません。他人に対して異常なまでの警戒心を剥き出しにするフィオルシーニ皇国ならでは。どこのスパイかも分からない一般女性を、下働きとはいえ要職の近くに置きたくないようです。逆も然り。教育を施した人材が流出するのは痛手です。雇用契約を結ぶ度にいちいちゼロから調べ直すのも人手を使いますしね。『人を動かしたこと』からして情報になる社会、当然と言えば当然です。ちなみに、メイド服を着るのはメイドだけ。侍女は私服。

ベルゼーラ王国では、貴人の世話役を務める女性を『侍女』、雇用先の家政を預かった女性を『メイド』と呼びます。マッケンティアの小説が輸入される前までなら侍女は貴族が、メイドは一般女性がなるもので、民間にはメイド派遣会社もあり、お金持ちなら貴族でなくてもメイドを雇えました。輸入後は、雇用主がOKさえ出せば、貴族だろうが一般女性だろうが浮浪者だろうが、侍女にもメイドにもなれるようになります。身分差で分けるというより、仕事内容と個人能力で分けた感じです。侍女は家事をしません。メイドはメイド服ですが、侍女は私服。侍女のシャルがメイド服を着ているといろいろややこしい事になると思うんですけど、その辺りには深い事情があるし、シャルのメイド服は本人の手作りという事で、関係者は総スルーしてます。シウラは単純に慣れてるだけですが。

ウェラント王国では、『侍女』という立場は無いような気がします。本編中に出てきたのって、メイドだけですよね? 書いた本人が誰に尋ねているのか。多分、侍女とメイドに違いはありません。伯爵家のミウルが国王の愛妾の専属メイドになってるくらいですし。メイドの中での身分差や階級はあるのかも知れませんが、基本的にお世話も家政も全部、担当各所の『メイド』達がこなしている……と、思います(弱腰)。

フリューゲルヘイゲン王国の認識では、『侍女=貴人のお世話をする女性』であり、ルビア皇女に付いてきた女性達です。ルビア皇女付きの侍女は、ルビア皇女の成婚と同時にフリューゲルヘイゲンへ帰属、ルビア王妃付きの『メイド』へと転身しています。この事から察するに、フリューゲルヘイゲン王国もウェラント王国と同じく、『侍女』に該当する女性は『メイド』だと思われます。

 

と、こんな感じで『侍女』と『メイド』を使い分けているのですが、頭の中にどれだけ国があっても、それを書き出しているのは私一人です。編集段階で脳が誤作動を起こしていても気付けてなかったとしたら、ウン十万文字相手に修正大会を開催せねばなりません。

そうはなってないことを祈るばかりです。

 

延々と書き続けて、あっという間に昼前になりました。もう「こんにちは」ですね。こんにちは。

朝ご飯は食べたのに、まだ眠いです。働け我が頭。

これから未完成のイラストの続きを描きますが、その前にお昼ご飯をいただきます。

時間の流れは速いです。

 

では。