梅見月ふたよの創作系裏話

創作物に関する独り言を連ねる日記帳

キャラファイル3『マッケンティア』

この日記を書いている時点では二カ所の小説投稿サイト様で連載中、年齢制限ありの恋愛?小説『黄色の花の物語』に登場する女性。三度の婚姻歴と二度の死別離婚を経験している。

フルネームはマッケンティア・ドルトリージュ・バロックス。三番目に籍を置いたベルゼーラ王国の公的場面ではマーシティア・トルティネート・フロイセルを名乗る、ベルゼーラ王国の王妃(後に王太后)。

全世界にその名前と作品を知らしめた大作家であり、主人公オーリィードの敵役を演じるリブロム・アーシュリマー・フロイセルの実母。

五十代とは思えない若々しさと賢さ、あらゆる全てを肯定し受け止めてしまう器の大きさから、彼女と直接話す機会に恵まれた幸運な者は例外なく彼女を『聖母』と称える。らしい。

十代前半の若さで母国での作家デビューを果たし、以降ペンを休ませることはほとんどなく作品を世に送り出し続けている。

 

彼女の根幹にあるものは『否定的な態度を執られた時に感じた胸の痛みを忘れてはならない』という思い。

身体が痛みを訴えて傷の所在を示すように、心もズキズキと痛みを訴えて、見えないけれど確かに刻まれた傷の存在を示しているのだと感じたことがきっかけ。

だから彼女は誰も何も否定しない。ただ静かに受け入れ、見守る。助言や救済を求められれば可能な範囲で応じるが、基本的には見守る。自分がどんなに不安で苦しくて辛くても、相手が真剣に考えて決めたことだから、決して否定はしない。徹頭徹尾、他者の意思を尊重する。

その姿勢が、リブロム達に大いなる誤解を植え付ける結果となってしまった。

 

マッケンティアにとってはオーリィードもリブロムもレクセルも孤児院の子供達も皆可愛い子供であり、本心でそれぞれの幸せを願っている。

あまりにも裏が無さすぎて、実情を知らない人だと『実は腹黒なんじゃないか』とありもしない一面を疑ってしまう程度の善人。

一方で、騎士や裏稼業の人間を遊び感覚で煙に巻く能力も備えているらしく、なかなか奥が深い。

常時穏やかに微笑んでいるような人柄ながら、近しい相手には拗ねたり落ち込んだりもする。

 

おそらく、自作品の中ではトップクラスの忍耐力とズレた感覚の持ち主です。言葉を扱う職業人なのに、相手の意思を尊重するあまり大切な人との対話が圧倒的に足りていないという皮肉。

そりゃオーリィードも叫びたくなります。

自分で決めた事だろと言われても、ジャングルで一人暮らしとかしてない限りは、必ずしもそうと言い切れない事なんていくらでも転がってる訳ですし。

嫌ならやるなで通してもらえる環境に居るなら、それはとても幸せでしょうけど。嫌だからと放棄したその分は別の誰かが背負ってるんじゃないかとは、私自身も思います。

使った食器が勝手に綺麗になって勝手に食器棚に戻る訳もないですから。

 

会話や対話って大切だな……と、やっぱりここに行き着く自作品ですが、私自身も口下手でテンポが遅すぎるという自滅感。

ブーメランが痛いぃ。