私がやりがちな失敗って、多分これなのかな。
【例文】朝、目が覚めたら雪が降っていた。
初っ端から突っ込みどころ満載。
誰が、いつ、どこで、誰と、何を、どんな風に、が行方不明。
何故こんな文章になるのかを考えてみる。
誰が=『目が覚めたら』って文章からして、これは誰かの目線を主軸に書こうとしている。誰かは話の主人公さん。
いつ=具体的には朝のいつ頃? 東雲? 暁? 曙? 空は黒い? 明るくなってる? 朝焼け? 目覚めた直後に雪が降っている光景が見えているなら、白が目立つ暗さ?
どこで=『目が覚めたら』とあるなら、主人公は直前まで眠っていた。そして他人に起こされたわけではなさそう? 自室か、休める場所?
誰と=目覚めから降雪確認までの経過がゴリっと省かれているので、少なくとも主人公目線では他者の存在を認識していない。
何を=閉鎖空間で雪が降るとしたら、そこは何かしらの商業施設。ファンタジー世界でもない限り、雪は屋外でのみ『降る』物なので、起床後に空模様を観察している?
どんな風に=描写が旅に出ているので謎。
あー……なるほど、こうやって分解すれば良かったのか……。教えていただけた事が少しだけ分かったかも知れません。斜め方向に勘違いしてるかも知れませんが。
私が最初に思い浮かべた光景は
『自室のベッドで寝ていた女性がぼんやりした感じでゆっくり起き上がって、左手側にある小窓のカーテンを開いて外を覗いたら、珍しく雪が降っていた』
と、こんな感じでした。
何のひねりも工夫も訂正も入れずに書きっ放しだとこうなります。素の文章です。
長い。そして迂遠。
情景が足りてないのかな。
誰が=主人公=女性
いつ=朝、カーテンを開く時間帯
どこで=自室
誰と=主人公は一人きり
何を=窓から空を見上げている
どんな風に=珍しがっている
【訂正文】こころなしか肌寒さを感じてぼんやりと目覚めた朝。枕の横に置きっぱなしだったスマホを点けて確認すると、待ち受け画面にはAM5時28分の表示。アラームが鳴るまでには一時間も早かった。
羽毛布団からはみ出した手が、低い気温を嫌がって再度布団の中に潜る。じんわりと染み込むような温かさが心地好い。
しかし、布団の中で丸くなっても、布団を体に巻き付けてみても、一度感じた肌寒さは消えなかった。
温かさだけを求めて右へ左へ落ち着きなく転がっている内に、意識が冴えてきてしまった。二度寝は難しそうだと、スマホを布団の中に渋々引き込み、アラームの設定を解除する。
ふと、漫画なんかでよく見る効果音そのままの、シーンとした静けさが気になった。
今は懐かしく、都会で一人暮らしを始める前は毎年当たり前に感じていた、冷たく張り詰めた空気。
これは、もしかして。
温もりを惜しみつつ布団を押し上げ、容赦なく全身を刺す寒さに縮こまりながら、出窓を隠す濃紺色の遮光カーテンと純白のレースカーテンを一緒にそろりと開く。
「わ……っ」
予想通りというか、期待通りというべきか。
窓の外は朝日が出る前で薄暗く、けれど不思議と明るさもあった。
灰色とも銀色ともつかない明るさを演出しているのは、数年ぶりに見た粉雪の舞い。
上空からちらちら落ちてきた雪がビル風に煽られ、あちらこちらで所狭しと見事な円舞を踊っていた。
……どれも書こうとした内容は同じなんですが。
私の場合は文字数を少なくしようとしないほうが良いのかも知れません。
これ、悪例としてツィッターに貼っておこうかな。
画像保存しておこう。
今日はここまでです。